コラム

COLUMN 武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科
武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科

人間も虫歯菌も甘いものが大好き!糖のコントロールについて

2026/05/20
甘いおやつを食べる2人の女の子

武蔵小山はっとり歯科矯正歯科、院長服部です。

今日はここ最近患者様からご質問があった、おやつや甘いものについてのお話をしましょう。

実は歯医者さんでは歯磨きと同じ位重要とする考え方として、糖の摂取のコントロールがあります。つまり甘いものをどう食べるか!前回のコラムでお話したのは歯本体の強化のお話、歯を溶かす酸はそもそもどこからやってくるのでしょう?

結論からいうとお口の中に甘いもの(糖)が入ってきて、虫歯菌が食べて酸を産出(代謝)します。極論甘いものを食べるな!という事になりますが、一度甘いものを口にした人類はもう手放すことはできません。絶対むりです。

今日は甘いものとどうお付き合いするかを考えます。

糖と虫歯菌について

実は糖といってもたくさんあります。お菓子の袋の裏側をみてみましょう。

例えば今僕の目の前にちょうどあるコーラをチェックすると。

・品名 炭酸飲料 
・原材料名 糖類(果糖 ブドウ糖液糖 砂糖)炭酸 カラメル色素・・・・

と、やはりコーラは世界で一番美味しい飲み物ですが、糖と酸(炭酸)がモリモリ入っています。糖について深ぼりしてみます。

糖とは生き物を活動させる三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)の炭水化物に分類されます。さらに炭水化物は体に吸収されやすい「糖質」とされにくい「食物繊維」に分かれます。この中で糖質は単糖類と二糖類、多糖類と分類します。

単糖類→一番小さな糖の単位、これ以上小さくならない。
グルコース(ブドウ糖)・・最も代表的な糖、でんぷんの構成成分
ガラクトース・・乳糖(ラクトース)の構成成分
フルクトース(果糖)・・果物やはちみつ 一番甘味を感じる

二糖類→単糖類が二つ合体したもの
スクロース・・グルコース+フルクトース  砂糖(ショ糖)
ラクトース・・グルコース+ガラクトース 乳糖 牛乳由来
マルトース・・グルコース+グルコース 麦芽糖 水あめ・デンプンに多い
トレハロース・・グルコース+グルコース キノコ由来 

多糖類→単糖が10個以上合体している
デンプン・セルロースなど 甘くない

単糖になるほど

・甘くなる
・吸収性が高く
・着色しやすく
・防腐性が高く
・粘度が低い

になります。

また、糖類ではないですが甘いものとして合成甘味料、糖アルコールが存在します。

合成甘味料→化学合成で作られた人工の甘味料。低カロリーで砂糖よりも数百倍近い甘さを感じる。アスパルテームやスクラロースなど

糖アルコール→果物や植物の糖分に水素を加えて還元した糖質に近いもの。自然由来で低カロリー。キシリトール、エリスリトールなど

合成甘味料について色々な論議があったり、食物の由来による細かな分類はありますが、本コラムは虫歯と糖についてなので虫歯菌が代謝して酸を産出する糖についてお話します。

さて、虫歯菌が酸を代謝する糖は・・・糖と呼ばれるもの全部です。

合成甘味料は全て代謝されません。

糖アルコールはキシリトール、エリスリトールは代謝されませんが、ソルビトール・マンニトール・マルチトールはやや代謝されます。特に、虫歯予防に効果的と呼ばれるキシリトールは虫歯菌がキシリトールを食べますが、代謝できずエネルギーを無駄使いするのでとても素晴らしい糖アルコールです。

基本的に糖質とよばれるものは全て虫歯菌の餌になることがお分かりいただけたかと思います。かといって、糖質は身体を動かすために必須なものです、虫歯になりたくない一心で身体が栄養失調になったら本末転倒です。次からは、糖の選択と正しい食事についてお話します。

虫歯になりやすい糖・なりにくい糖

ここまで糖の分類をさせていただきましたが、糖の中でも虫歯の原因になりやすい物となりにくい物があります。糖と呼ばれるものは基本的に虫歯菌の餌になり、代謝され酸が出ると思ってください。

糖の中でも他の糖と比べ群を抜いて危険度が高いのがスクロース(ショ糖・砂糖)です。虫歯菌はスクロースを取り込み代謝するときに酸と一緒に不溶性グルカンという物質も作り出します。

この不溶性グルカンは餅のようなネバネバ物質で、皆さん歯につく白いねとねとしたプラークとよばれる物質の主成分になります。このプラークはとても厄介なもので、うがいや水流ではとることができません、ブラシを使って物理的に除去するしか方法がありません。プラークがある限り、唾液による自浄作用も、フッ素による再石灰化も起こらないので、付着している限りプラークの下は永遠に歯が溶けていきます。

次にマルトース(麦芽糖)です。デンプンの主成分で唾液に分解されると発生しやすい糖です。分子が大きいため虫歯になりにくいですが、でんぷんは元々食べ物として口腔内に残りやすいので注意が必要です。

例えばポテトチップスなどはデンプンが多いです。ドラマやスマホを見ながらポテチをだらだら食べると、でんぷんが歯の色々な隙間に入りやすいので虫歯リスクが大いに跳ね上がります。

フルクトースやグルコースはスクロース(砂糖)と比べると、虫歯菌のエネルギー源にはなりますが、不溶性グルカンは多くは発生しないためスクロース(砂糖)よりはリスクが低いでしょう。

ラクトース(乳糖)は牛乳や乳製品に複合して存在することが多く単体で存在することがないため、虫歯リスクは低いと言えるでしょう。逆に牛乳などであれば牛乳内のタンパク質が酸性を中和したり、カルシウム・リン酸などが、歯の再生を手助けするため牛乳は虫歯予防には最適といえるでしょう。

まとめてみると・・・

虫歯になる糖ランキング

スクロースは他の糖を考えなくてもよい位虫歯になるリスクが群を抜いて高いです。

主食に入っているお米、パン(菓子パン除く)、芋なども虫歯菌の餌になる糖は入っていますが、虫歯リスクは低いと考えられるますので問題ありません。

もちろん糖や炭水化物は人間が生きる上で必須の栄養素なので必須の栄養素ですが、スクロース(ショ糖・砂糖)が入っている食品は生活を彩る素晴らしい食べ物ですが、毎日毎食飲食する必要性は無いことを留意しましょう。

虫歯になるおやつや甘い物

さて今まで糖についてお話してきました。

虫歯菌の代謝による酸と残留を踏まえると、

・スクロース(ショ糖・砂糖)が多いほど虫歯になりやすい。
・虫歯菌が代謝しやすい糖ほど虫歯になりやすい。
・お口の中に残留する食べ物程虫歯になりやすい。

これを踏まえた表にしましょう。

虫歯になるおやつや甘いもの

右上のエリアは糖も多く、残留しやすい物なので、虫歯リスクが極めて高いエリアです。日常的な摂取はおすすめできません。特別な日や時間に食べるようにしましょう。甘いジュ―ス類は液体なので、口腔内残存しにくいと思われがちですが、口に入った瞬間お口の中の隅から隅まで砂糖がいきわたり、べとべとした状態で残留するため、危険度は高いです。

左上右下エリアは虫歯リスクが中―高程度のものです。週に何回か食べるのは問題ありませんが、だらだら食べをせず時間を決めて、食後のブラッシングに気をつけましょう。果物を加工したものは100%ならリスクは中程度ですが、砂糖やシロップが加えられたものはリスクが跳ね上がるため気をつけてください。

左下は虫歯リスクが低いエリアです。おやつはこのエリアのものがよろしいでしょう。

中々厳しいですね。院長自身甘い物やせんべいが好きなので、改めて分類すると絶対無理と思ってしまいます。しかし、医学的にはこれが事実なのです。砂糖を一度口に入れてしまった瞬間からこの欲求との闘いをしなければなりません。ただ、食事や間食は生活を豊かにする重要な要素です。特別な日や時間を決めて楽しみつつ、惰性での甘い物の摂取は控えると良いでしょう。

私もがんばります。

お子様のおやつについて

お子様のおやつ甘い物のはじめ時期関してはとても重要です。「三つ子の魂百まで」とあるように、乳幼児の食生活が後々人生を左右することは想像しやすい事かと思います。次について気をつけましょう。

1.甘いもは3歳から

1歳くらいでは、素材の甘味で十分です。甘い食べ物は控えましょう。2歳くらいになると明らかに砂糖の少ない物や果物を取り入れましょう。3歳以降になれば大人が食べる甘いのを摂取するのは構いませんが量と回数に注意しましょう。味覚は3歳位までに成立します。この時期まではとても甘い物に敏感な時期、早期に甘いものを与えると「甘い物中毒」になります。

2.おやつは栄養を補うもの、そもそも甘くなくていい

大人もおやつ=甘い物と思っていませんか?おやつは普段の食事での足りない栄養素を補うものです。お子様の健康な発育成長において甘いものは必要ありません。甘いものを知ってしまったら最後、求め続けます。知らなくていいこともたくさんあるように、お子様と甘い物との遭遇はできるだけ時間を稼ぎましょう。味を知らなければ求めません。

3.ご褒美=甘いもの にしない

甘いものは強力な依存性があります。「頑張ったご褒美=甘い物」は誰が決めたのでしょうか?もしかしたら幼少期からの刷り込みかもしれません。大人なら甘い物の食べすぎは虫歯以外にも生活習慣病のリスクの観点からある程度自制はできます。しかし、お子様はまだそんなことは理解できません。ついつい、不機嫌だったり、ぐずついてしまったお子様に甘い物を与えることがあるかもしれません。ただ、不満を訴える→甘いものを親から貰えると学習してしまう事は、ご家族にとってもいい事ではありません。甘い物やおやつは時間を決めるや特別な日のみにとどめておくことが良いでしょう。

4.糖の摂取は15グラムまで

糖の摂取は3歳―5歳までで15ℊは超えないようにしましょう。6歳以降であっても25ℊは超えないことを推奨します。WHOの基準でも砂糖の摂取の基準は一日の総カロリー量の5%未満が推奨されます。成人の一日カロリー量2000kcalとしても25ℊまでです。また、間食は一日1回を基準として、最大でも2回までです。3回を超えると虫歯リスクが跳ね上がります。

5.形に気を付ける

おやつの選び方として、噛まなくていい食べ物、口に残りやすい物、だらだら食べになりやすい物は危険です。

以上の事を気を付けてみてください。

最後に

院長自身今回のコラムを書きつつ自省しております。甘い物の過剰な摂取は身体には悪影響がありますが、豊かな人生や日々の楽しみには必須な楽しみです。上手に付き合っていきましょう。

武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科では、虫歯や歯周病だけではなく、健康の入り口としてのお口のサポートをさせていただいております。歯科の観点からの食育などにも熟知しておりますので、お気軽にお申しつけください。

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