コラム

COLUMN 武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科
武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科

虫歯予防の主役!フッ素のすごい所

2026/05/10

こんにちは武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科、院長服部です。

武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科では予防を一番に考えております。

病気にならないための予防って大切ですよね。ただ予防ってどうしてもめんどくさいですよね。
わかります、なぜなら今問題ないからです。私自身、健康に悪いと思いつつ夜更かししたり、脂っこい食べ物を食べてしまいます。

ただ、医科領域と歯医者さんで扱う病気、主に虫歯と歯周病の違いは一度なったら絶対もとには戻らない事!
少々身体をけがしても傷は治りますし、食べすぎてもダイエットでもとに戻る事は多いはず。ただ虫歯に関しては、一度虫歯になったら自己修復しません。

詰め物を入れても人工物に置き換えられただけで、治ったわけではありません。当然人工物はいつか劣化します。つまり、虫歯になったら、一生虫歯の再発とお付き合いしないといけないわけです。

虫歯はやはり怖いですね。本日は虫歯予防の大きな助けになる、フッ素の正しい扱い方についてお話ししましょう。

そもそもフッ素とは?

よく歯医者さんが「フッ素塗りますね。」といいますが、正確には塗っているものはフッ素化合物またはフッ化物です。歯磨き粉に入っているものもこちらになります。

フッ素単体では自然界において不安定で猛毒性がありますが、ほかの物質と結合したフッ素化合物・フッ化物は安定性が高い物質になります。よくフッ素は体に悪い危険だというのは半分正解で、フッ素単体では危険です歯に用いるフッ素は化合物なので過剰に用いることがなければ全く問題ありません。何事も適量であればベネフィットの方が大きいのです。

実はフッ素自体はめざしやにぼし、貝類や海藻にもたくさん入っています。完全に体に取り込まないようにするのはほぼ不可能。上手に歯に作用させて虫歯予防に励みましょう。

歯磨きに入っているフッ化化合物って?

歯磨き粉の中に入っているフッ素の多くはフッ化ナトリウムやモノフルオロリン酸ナトリウムというフッ化化合物です。

どちらにしても唾液と混ざり合いお口の中に滞留することが一番効果的です。なので、歯磨き後大量のお水でうがいすると全くの無意味になります。

欲を言えば、うがいしないまたは大さじ一杯程度(5-15㎖)の少ない水で軽いうがいがおすすめです。歯磨き後は1-2時間は飲食をひかえる、または就寝中は唾液の分泌が下がり細菌が繁殖しやすくなるため、寝る前の歯磨き、フッ素の補給がより効果的でしょう。

歯の脱灰と再石灰化

歯の表面はカルシウムやリン酸などから構成されている、ハイドロキシアパタイトというとても硬い物質で構成されています。

下の図のように・・

脱灰のイメージ

お口の中に食べものが入ってくると、細菌が糖を代謝して酸を算出します。
歯のを構成するハイドロキシアパタイトはとても硬いですが、酸に対してはとても弱いので酸に簡単に溶けます。歯の表面からカルシウム、リン酸、水が溶けます。これを脱灰といい、虫歯の初期の初期の症状になります。

最初は見えないくらいですが、長期的に酸性状態にある環境ですと、歯の表面がだいぶ乾燥した白色になります(白濁)。この状態に噛んだ時の負荷かかると穴が空きます。よく患者様が「噛んだら急に歯が欠けた」とおっしゃるのは予兆もなく欠けるのではありません。細菌たちは水面下で計画をたて少しずつ蝕んでいるのです。

再石灰化のイメージ

歯も黙って溶けているわけではありません。食後歯を磨いたり、唾液の力でお口の中が酸性状態から中性状態に戻ります。そうすると、溶出したイオンたちが舞い戻ってきます。これが再石灰化といいます。
お口の中はこの脱灰と再石灰化を常に繰り返しています。なので、食事をダラダラ食べたり、間食が多いと虫歯リスクが跳ね上がります。

さてここからフッ素のお話です。

歯磨き後に酸性状態が解除され、細菌が少なくなった状態でお口の中にフッ素が滞留します。再石灰化のタイミングでカルシウムとリン酸が歯に戻っていくタイミングで一緒にフッ素が歯に取り込まれると、ハイドロキシアパタイトからフルオロアパタイトに歯の構成が変わります。フッ素が入り込むことでパワーアップするのです!

フッ素を取り込むイメージ

フルオロアパタイトとは

前述したようにフルオロアパタイトはハイドロキシアパタイトにフッ素が取り込まれた状態です。フルオロアパタイトの良いところを挙げてみましょう。

① 酸に強い

通常のハイドロキシアパタイトはPH5.5ほどで溶けてしまいますがフルオロアパタイトはPH4.5まで耐えます。もちろん、コーラやオレンジジュースなどはPH4.5以下なのでフルオロアパタイトでも脱灰はしますが、装甲が一枚追加されるこれだけで虫歯の明暗を分けるのです。

② 結晶が安定している

フルオロアパタイトはハイドロキシアパタイトとと比べて結晶が密です。
イオン構造的にはFはOHと比べて対称性が高く小さく球体に近いので、同じ面積でも緻密に対称的に並びます。また歯の主成分のCaとぎゅっと引き合うのでより強固になります(電気陰性度が高い)。

③ 再石灰化しやすい

ハイドロキシアパタイトは酸に弱く溶けやすいですが、フルオロアパタイトはカルシウムが引き合うので優先的に再石灰化します。

フッ素の害

さてフッ素の良いところばかり書いてきましたが、悪い面も取り上げてみましょう。
作用と反作用、利益と不利益があるように何かしたら何かしらの犠牲がつきもの!フッ素にはあるのでしょうか?

① 急性フッ素中毒

何事も過剰はいけません。害の一つとして急性フッ素中毒があります。一度に大量のフッ化化合物を取りこむと、嘔吐・下痢・痙攣などの症状がおきます。
発現量は2-4㎎・㎏です。仮に20キロのお子様(小学6年生位)がいたとしたら40-80㎎で中毒になります。

当院で販売している歯磨きで一番フッ素が入っているもので一本1450ppmFで135ℊ。計算すると195.75㎎入ってます。なので大きめの歯磨きチューブを一度に半分吸えば中毒になります。

ただ、通常はこのような事は起きませんよね。一回の歯ブラシの歯磨き粉適量は成人でも1.5ℊ程なので急性中毒は通常使用で起きることはありません。万が一お子様が大量に歯磨きチューブを誤飲した場合は牛乳を飲ませて病院に相談するのが正しいと言えるでしょう。

② 慢性フッ素中毒(フッ素症)

フッ素の過剰摂取により、生後数か月から5歳ほどまでに多量のフッ素を摂取した場合、歯に白斑がでたり骨がもろくなる場合があります。

ただ、これは水道や食べ物に相当量のフッ素添加がある場合起きるので、海外とちがい水道水にフッ素が添加されていない日本で起きることはまずないでしょう。

③ フッ素で知能(IQ)の低下!?

一部の研究でフッ素と子供の知能低下に影響があるとされている論文があります。

例えば2019年カナダの研究では妊婦さんの尿中フッ素濃度が高いと子どもの知能低下に関連する報告や、2024年8月には米国のNTP(米国福祉省が中心となる工業や食品添加物、医薬品の検査分析を行うプログラム)からフッ素濃度1.5PPMF以上ののフッ素添加がされた水道水を常用することで知能低下が関係する可能性を示しました。

これを受け米国歯科医師会やCDCは科学的根拠がないと反論しています。ただ、いずれの研究も水道水にフッ素を混ぜて飲食する水道水風フロリデーションに関することで、元々水道水にフッ素が添加されてない日本ではあまり関係性が薄いとの見方が強いです。ある意味日本では自分でフッ素を取り入れるかどうか選べるというのが良いところかと思います。

院長服部の考えとしては、現状メリットデメリットを考慮してもフッ素の利用については科学的根拠に基づきメリットが明らかに大きく推奨するという立場です。アパタイトやリカルデントなどフッ素に似た作用をもつ医薬品も出てはいますが、フッ素と比べるとデータやコストパフォーマンスに優れることはありません。

もちろん、自分やお子様にフッ素を使いたくないという方はリスクを考えてフッ素を使わないことはよろしいかと思いますが、現代の虫歯予防という観点からは遠のくという事になります。

歯磨きでのフッ素の使い方

年齢使用量フッ化物濃度使用方法
歯が生えてから2歳米粒程度
(1~2mm程度)
1000ppmF
(日本の製品を踏まえ900~1000ppmF)
・就寝前を含めて1日2回の歯みがきを行う。
・1000ppmF の歯磨剤をごく少量使用する。歯みがきの後にティッシュなどで歯磨剤を軽く拭き取ってもよい。
・歯磨剤は子どもの手が届かない所に保管する。
・歯みがきについて専門家のアドバイスを受ける。
3~5歳グリーンピース程度
(5mm程度)
1000ppmF
(日本の製品を踏まえ900~1000ppmF)
・就寝前を含めて1日2回の歯みがきを行う。
・歯みがきの後は、歯磨剤を軽くはき出す。うがいをする場合は少量の水で1回のみとする。
・子どもが歯ブラシに適切な量をつけられない場合は保護者が歯磨剤を出す。
6歳~成人
・高齢者
歯ブラシ全体
(1.5cm~2cm程度)
1500ppmF
(日本の製品を踏まえ1400~1500ppmF)
・就寝前を含めて1日2回の歯みがきを行う。
・歯みがきの後は、歯磨剤を軽くはき出す。うがいをする場合は少量の水で1回のみとする。
・チタン製歯科材料が使用されていても、歯がある場合はフッ化物配合歯磨剤を使用する。

上の図が最新の日本におけるフッ素入りの歯磨きをする場合の方法です。実は以前と比べてフッ素の始める年齢や量が変わりました。

私が歯大生だった時は、特に乳幼児のフッ素量推奨がもっと少なかったのです。それだけ水道水添加ができない日本では局所応用が期待されているという事かと考えます。

私自身の考えを追加で伝えさせていただくと、

① フロス・歯間ブラシを併用する。ブラッシング前が理想
② うがいはしない、もしくはペットボトルのキャップ量くらいのごく少量で行う
③ フッ素ジェルを塗ってして就寝する。
④ フッ素使用後は就寝もしくは20分ほどは飲食しない。

まとめ

今回はフッ素の使い方と作用についてお話させていただきました。

お口の中で作用するものなのでもちろんご不安はあるかと思いますが、上手に使えば低コストでしっかり虫歯予防になるとてもいい医療品になります。

武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科では最新の予防歯科を科学的根拠に基づき、患者様個々に合ったオーラルケアグッズを提案させて頂きます。是非お気軽にご連絡ください。

ネット予約 電話予約 アクセス