こんにちは、武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科、院長服部です。
皆様、口腔機能発達不全症ってご存じでしょうか?
ざっくり分かりやすくいうと・・・
“顎とお口周りの筋肉のトレーニング不足で体の生命維持に重要な機能に問題が起きている”
という状態です。
顎やお口の周りは人間の生命の維持に必須の要素があります。
具体的には
1.食べる・噛む(咀嚼)
2.飲み込む(嚥下)
3.呼吸する(鼻呼吸/口呼吸)
4.話す(構音)
生きていくには当たり前で無意識にやっていることですが、実は極めて複雑な動きをしているのです。
お子さんたちが赤ちゃんから大体10歳までに口腔機能を育てて、正しくお口を使えるかをしっかり獲得できるかが勝負になります。しっかり獲得できれば、お子さんたちが、おじいちゃんおばあちゃんになり健康的に長寿を全うできる基礎にもなりますし、その逆にもなるのです。
大切なお子様が健康に幸せな人生を送れるよう、幼少期からしっかりサポートしていきましょう。
ただ、この口腔機能発達不全症候群は現代においてかなり増えてきているのです。
口腔機能発達不全症が増えている理由
原因は・・・
1.昔と比べて柔らかい食事

健康な身体を作るには運動が必要ですよね!お口の運動はよく噛む事です。
最近の食べ物、特に子供が好きな美味しい食べ物は柔らかい食べ物が多い傾向にあります。ハンバーグやパンケーキ、パンにプリンやゼリーに・・・。
柔らかい食べものは、まだお口の機能が発達していないお子様も一口目からおいしく食べられます。ただ思い出してみてください。ひと昔前は今のような加工品はなかったと思います。
院長は田舎出身だったので、お菓子といえば干し芋やスルメや煮干し、ご飯は小骨の多い焼き魚でした。顎をしっかり使わなければうま味のでないものや、魚の小骨を頬っぺたと舌でモゴモゴ取り除いて食べていました。
実はこの苦労する動きがトレーニングになっていたのです。今の柔らかい美味しい食べ物は優しさはありますが、お口周りを鍛えるという厳しさが少々足りないのです。
2.口呼吸

当院のコラムにもたびたび登場する口呼吸。口腔機能発達不全症にも関係しています。実は口呼吸自体は口腔機能発達不全症に相互に関係しています。
舌が上顎にしっかりタッチできていて唇がしっかり閉じることができればおのずと口呼吸から鼻呼吸になります。
ただ舌と唇を上手に使えないお子さんは鼻呼吸をしたくても舌が下に下がり、お口が閉じられずに自然と口呼吸になり、嚥下障害・呼吸障害と負のスパイラルにはまっていくことになります。
3.姿勢(特にスマホ)

もう一つ重要なことが“姿勢”。ここ最近多いのは猫背とスマホ首です。
厳密には猫背は肩や胸椎、背骨など体幹の問題でスマホ首は首を含む頸椎の問題なので部位が違うのですが、成り立ちはほぼ同じです。
どちらも頭が前方に位置して首と背骨に異常をきたしているのです。
頭が前方移動→頸椎前弯が減少→お口周りや首の筋肉が緊張
頭が前に出ると、重心が前方にずれて身体は無意識に倒れないように→胸椎を屈曲→肩を内巻き→背中を丸める
となります。
歯科領域からみると、姿勢が悪いことで
・顎が引っ込む
・唇が閉じにくくなる
・舌が下がる
・口呼吸になる
・歯並びが悪くなる
と悪いことがたくさんおきます。
お口周りだけでなく、背中が丸々していると・・・
・呼吸機能の異常
→背中が丸まり、肺が広がりにくくなり横隔膜の可動域低下を起こし浅い胸式呼吸になり口呼吸になる
・頸部肩の慢性緊張
→僧帽筋、肩の筋肉の過緊張による、首コリ肩こり、眼精疲労、頭痛
・自律神経への異常
→交感神経優位になりやすいため、集中力、易疲労
・消化機能低下
→腹部圧迫による胃腸の動き低下
どうでしょうか?頭が前に倒れるだけでこのように次々と悪影響が連鎖していきます。今すぐお子さんまたはお父様・お母さまのスマホ依存を治してみませんか?
もちろんスマホだけではなく、寝相、食事時姿勢など日常には悪い姿勢を生む原因はたくさん潜んでおります、当院はお口周りから皆さんの良好な姿勢までしっかりサポートさせていただきます。
さて、口腔機能発達不全症とその主な原因を書かせていただきました。すべての原因と互いに相関してどんどん負のスパイラルにはまっていきます。
お顔とお口周りの筋肉が発達しない→舌が下がる・唇が閉じない→口呼吸→気道を広げるため頭部前傾、下顎後退→姿勢悪化
という流れです、この流れを断ち切りましょう!
歯が痛いだけを治すだけではなく、お子様の健康な人生のための一助になれば幸いです。
今すぐチェック!!口腔機能発達不全症
口腔機能発達不全症がいかに少しずつ皆様とお子様の健康を蝕む病気とご理解いただけたはずです。
それでは、実際どのような状態が口腔機能発達不全症候群の兆候なのかチェックしましょう!
・ぽかん口でいつもお口があいている
・滑舌が悪い、怪しい発音がある→特にサ行・タ行・ラ行が怪しい子は要注意!
・食べこぼしが多い
・強く噛めない
・食事時片方の頬だけ膨らんでいる(片方だけでかんでいる)
・噛む時間が異常に長いまたは短い
・お口がへの字(口角が下がっている)
このいずれか一つでもチェックが入ればおそらく口腔機能発達不全症との可能性があります。ぜひご相談ください。
まずは食事から見直しましょう!
武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科で行っている、口腔機能発達不全症の治療の一部をご紹介します。
前々回のコラムでも書かせていただいた、“あいうべ体操”や矯正装置を使った治療法もありますが、今回は“食事”です。本来は正しいお口の機能は正しい食事で学んでいくもの、日常のお食事で少々気を付けることを加えて頂くだけで改善することもあります。
お子様にやっていただく事は、“前歯を使ってもらうこと”。
最近は柔らかい食べ物が多く、食べ物を視認する(どのくらい口に入れるか瞬時に判断)→前歯で齧る→奥歯ですり潰すの一連の動作ができないお子さんが増えている傾向にあります。前歯を使う意識をするだけで、唇の周りの筋肉のトレーニングや、前歯間の隙間ができる事で、大人の歯がきれいに並ぶ可能性も高まります。
前歯を使う食事として・・・
・少し硬めのパン
・野菜スティック
・スルメ
・一口大の果物
・干し芋
などがあります。
新しいメニューを取り入れなくても、お料理のお野菜、お肉などを大きめに切るだけでも大丈夫です。
ただ、前歯で齧るができないお子さんは最初お口を詰まらせてしまう可能性もあるので、慣れるまで注意して見てあげてくださいね。
もう一つは“食事中のテーブルに飲み物は出さないか少な目に”です。
前歯をつかって齧った後は奥歯ですり潰します。しっかり噛めば、唾液が出てきますので、本来食事中飲みものはいらないか最小限で十分なことが多いです。水分が十分にあると、よく噛まずに水分で押し込む食事になってしまいます。
唾液をしっかりだすことで
・炭水化物の分解
・殺菌
・胃腸の保護
・虫歯予防
・舌唇の動きを滑らかに
30回噛みましょうとまでは言いませんが、水分なしで飲み込めることができればおのずと噛む回数は増えていきます。
今回は健康を蝕む口腔機能発達不全症と、その対策としてまず食事への対策を書かせていただきました。実はまだまだ口腔機能発達不全症を治すトレーニングや食事法、器具はたくさんあります。
武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科はお子様の生涯の健康のための病気になる前の予防をサポートさせていただきますので是非お気軽にご連絡ください。
