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COLUMN 武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科
武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科

離乳は赤ちゃんが主役!!BLW(赤ちゃん主導の離乳食)取り入れてみませんか?

2026/04/10

こんにちは。武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科です。

今日は離乳についてのお話です。皆様は離乳についての新しい考え方BLW(Baby-Led Weaning)ってご存知でしょうか。

本日は従来の離乳とBLWについて、また武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科は歯医者さんなので歯科観点からみた離乳についてお話します。

離乳した赤ちゃん

そもそも離乳って?

実は離乳といっても確実な決まりはありません。家庭の状況や、赤ちゃんの成長状態、国の文化的背景でも様々です。

厚生省の授乳・離乳支援ガイドを以下にまとめてみました。

離乳の考え方:

・成長に伴い、母乳および育児用ミルクでは足りない栄養素とエネルギーを補完するに乳汁から幼児食に移行する過程をいう。
・吸うからかみつぶす・飲み込むに形態を変え、「食べる」を自立化する
・子供によって成長によって異なる、各家庭の食文化、地域の食文化を考慮して子供に合わせて行うのが重要。

離乳の開始:

なめらかにすり潰した状態をはじめて与えた時がスタート時期!

スタートの目安は・・・

・首がすわり、寝返りできる
・5秒以上座れる
・スプーンをお口にいれても押し出さない(哺乳反射の減弱)
・食べ物に興味がありそうな雰囲気を感じる

大体5‐6か月でこの時期を迎えます。

食品の硬さ:

離乳の開始はおかゆから始め、離乳食用スプーン1匙から与える。慣れてきたら、ニンジン・ジャガイモなどの野菜、果物、更に慣れたら豆腐、白身魚、固ゆでした卵黄にしていく。

魚は白身魚→赤身魚→青魚の順番で。次に脂肪の少ない肉・豆・各種野菜・海藻と増やしていく。脂肪の多い肉は与えるのを遅らせる、野菜類は緑黄色野菜を取り入れて、ヨーグルト、塩分や脂肪分の少ないチーズも与えてよい。牛乳は飲み物として与えるなら鉄欠乏性貧血予防のため1歳以降にする。

離乳の進行:

・初期(5-6か月)→飲み込む練習と、離乳食の舌触り、味になれるが目標。離乳食は1日1回。ミルク・母乳は授乳リズムに合わせて好きなだけ。

・中期(7-8か月)→舌でつぶせるくらいの硬さ。1日2回与える。母乳・ミルクは離乳食後に与える。母乳は子供に好きなだけ、ミルクは1日3回程度。

・後期(9-11か月)→歯ぐきで潰せる程度の硬さ。1日3回与える。離乳食後に母乳・ミルクを与える。母乳は子供に好きなだけ、ミルクは1日2回与える。

厚生省の指針としてのまとめはこのような状況です。

院長自身この指針を見て、なるほどよくまとまっているなと思いつつ、こんな風に理想どおりにはいくことはないと考えます。重要なのは、巷にあふれる離乳のルールに絶対はないこと。絶対してはいけない最低限のポイントはありますが、こうしないといけないとか、できない子供はおかしいということはありません。

さて、このあと今コラムで取り上げたい内容の一端を厚生省の指針で見つけたので引用します。

「手づかみ食べは、生後9か月頃から始まり、1歳過ぎの子どもの発育及び発達にとって、積極的にさせたい行動である。食べ物を触ったり、握ったりすることで、その固さや触感を体験し、食べ物への関心につながり、自らの意志で食べようとする行動につながる。子どもが手づかみ食べをすると、周りが汚れて片付けが大変、食事に時間がかかる等の理由から、手づかみ食べをさせたくないと考える親もいる。そのような場合、手づかみ食べが子どもの発育及び発達に必要である理由について情報提供することで、親が納得して子どもに手づかみ食べを働きかけることが大切である。」

つまり、離乳を親が主導の栄養補給ではなく、お子様自身の自立的栄養摂取を通して発育・発達しようとする考え方です。日本国として従来の離乳も守りつつ、一つの食育として、子どもたちの発達を考えているのでしょう。この「お子様主導の離乳」考え方が比較的新しい離乳であるBLWにつながっていきます。

次の項目で離乳と手づかみ食べ、BLWの考え方について書いていきます。

BLW(Baby-Led Weaning)ってなんでしょう?

手ずかみ食べをする様子

BLWとは英語でBaby-Led Weaning、日本語で「赤ちゃん主導の離乳」と呼ばれています。イギリスの助産師でもあるジル・ラプレイさんを中心にして唱えられている離乳です。従来の親御さんがスプーンを使って一口量、食形状、順番などを決めて、赤ちゃんのお口に運ぶのではなく、赤ちゃん自身が手づかみ食べ(使えるようならお子様自身のスプーン)をすることで、自分で一口量、食べるペースを決めるという事です。

メリットとして

・家族で同じ食卓を囲めます
→よく見る、お母さま(お父様)が交互にご飯を食べさせてあげて余った時間で自分自身のご飯を食べるというような食事を減らせ、皆で食事体験を共有できやすくなります。

・感覚が統合され、お子様自身の考える力や自信・自尊心が成長する
→皆さんが無意識に行っている食事は実は極めて高度な動きを無意識に行っています。
色やにおい、指ざわり・舌触り、硬さや今までの食経験から一口量を決め、前歯でかじり、奥歯ですり潰し、噛む回数を決め胃に送り込んでいます。
この一連の動作を離乳時から行うことで、「食べさせられている」という状態から「自分で意思決定して食べる」という自立心・自信・自尊心の成長につながります。

・食べる力が育つ
→自分自身で決めて食べるため、満腹・空腹を学習できます。主体性が身に付き、将来的な過食予防の関連も効果があります。

・目で見て、指でつかみ、口を動かすことで認識能力・手先とお口の機能が発達する
→歯医者さんからみて一番大切なメリットはこれです。
機能が成長することで、将来の歯並び悪化防止、顎の正常発育により口腔機能が向上します。

・特別な離乳食を用意しなくて良い
→基本的な食べ物の形態をカット調整は必要ですが、市販のペースト離乳食は必ずしも必須ではありません。

デメリットとして

・散らかる
→あかちゃんもはじめは遊びと食事の区別がありません。投げたり、つぶしたりするので汚れます。
ただ、食材で遊ぶ行為は大人ではいけない事ですが、赤ちゃんにとっては興味をもち、触り心地、におい、触感を知るため必要なことです。

・鉄欠乏のリスク
→6か月以降では母体由来の鉄分が不足しがちになります。BLWでは野菜中心になりがち、食べる量が安定しないので鉄分不足になります。

・窒息リスク・消化不良リスクがある
→ペースト状の食形態でないので、硬さなどを間違えると窒息リスクが高まります。
硬いままであるとうまく自分で潰せず、消化不良の原因にもなります。しっかり見守ってあげることが大切です。

・周囲の理解が得られない、日本の食文化形態に合いにくい
→比較的新しい考え方で周囲の方があまりやっていないため理解が得られにくい。
またイギリス発祥で柔らかい食べ物やお米文化がある和食には合いにくい。

BLWの始め方・取り入れ方

いつから始めるか?

→目安は生後6か月以降です。月齢よりも発達のサインを見てはじめましょう。

発達サイン

・座れる
・首がすわる
・食べ物に興味がでてきた
・舌の押し出す反射が減ってきた。

この離乳の時期は厚生省の考え方も近いですね。特に重要な項目は・食べ物に興味が出る事・座れる事です。

食べ物の形態は?

→基本的な形は赤ちゃんが握れる5-10センチほどのスティック状です。

特に開始時期はにんじん・ブロッコリー・サツマイモ・アボカドなどゆでたり、蒸したりできて、硬さを調節できるものがおすすめです。硬さの目安は指でつぶせる程度です。

適さない食材は?

→誤飲窒息のリスクが高い食材は絶対に与えないようにしましょう。

誤飲窒息しやすい形態は、・硬い・丸い・つるつるしている・ボロボロ崩壊するタイプの食材です。

具体的に

・生の硬い野菜
・ナッツ
・ミニトマト
・キノコ類
・ブドウ
・ウズラの卵 

などです。

また、食塩や砂糖、食品添加物が多い食品。はちみつは与えないようにしましょう。

注意する事はありますか?

→BLWで特に注意が必要なことは、

1.窒息させない:ペースト状よりも固形食は窒息リスクが高いです。食事中目を離さないでください。

2.鉄不足:生後6か月以降、妊娠後期に蓄積した鉄量と、成長による造血が不足します。また、母乳は鉄分約0.3mg/Ⅼと必要量を満たしません。赤身肉、ももの鶏肉、魚(特に青魚)、卵、豆のいずれかを毎食組み合わせるのが理想です。特にビタミンCを同時に取り込むと吸収率が倍増します。例えばハンバーグ+ブロッコリー、鶏もも肉+トマト、卵+いちごがおすすめです。

歯医者から見た離乳とBLW

咀嚼する赤ちゃん

歯科の観点からみるとこのBLWはお口の発達、歯並びがよくなる可能性を秘めている点でとても素晴らしい離乳かと思います。離乳を栄養学視点でなく「口腔機能の発達・獲得」という部分から考えると・・・

1.咀嚼の発達:赤ちゃんを含めた人間の体制感覚は指と口に大きく依存します。指で触る→口に入れる→前歯でかじる→舌を使う→奥歯ですり潰す という一連の動きは咀嚼機能を向上させ、口唇の筋肉、舌の動きを発達させます。前回コラムで書かせていただいた、「口腔機能発達不全症」の予防になります。

2.歯並びが悪化する原因を早期に取り除ける:ペースト状ではない固形物を早期に前歯でかじるという動きは前歯にしっかり力が伝わり、顎の成長が期待できます。

このように離乳の段階で食事への自立を後押しできれば、将来の口腔機能の正常発達、顎の成長、悪い歯並び予防が期待できます。口腔機能が十分に育てば、嚥下、発声、呼吸の正常化も期待できるでしょう。

まとめ

このように、歯科の観点からもBLWは良いことづくめ、ではあります。ただ、離乳はうまくいくことばかりではありません。完全なBLWは理論上良いですが、いきなりすべての食事をお子様任せにすることはできません。完全なBLWでなく、通状の離乳食に組み込んだり、歯が生えてきてから行うなどしていくのがよろしいかと思います。

これから離乳を開始、離乳中の親御さんがいらっしゃったらこれだけは伝えたい。離乳に絶対の決まりは無いこと、家庭環境や食文化によって変わります。日本の親御様は勉強熱心でとてもまじめです。つい「育児は○○しないといけない」や、おじい様・おばあ様や周囲の方の過去の経験に振り回されることもあるかと思います。

私見ですが、そもそもBLWの考え方自体、お子様にゆだねるということで親の負担を解放するために生まれた側面もあるかと文献を読んでいて思います。日本の親御様は世界的にみて一番頑張っているなと思います。離乳の観点からみると、日本は「栄養摂取」を重視して、海外は「機能の発達」を重視しているよう思えます。どちらも大切な要素なので組み合わせることが一番良いのではないでしょうか?
人間の食べるという、重要な行為のスタートとして、お口の専門家としての歯医者さんも親御様が相談する一人に加えて頂ければ幸いです。

武蔵小山はっとり歯科・矯正歯科では歯が生えるその前からお口の機能向上の先の健康を見越してサポートさせていただきます。離乳についての相談も是非お待ちしております。

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